リチウムイオン
電池リサイクル
SERVICE
- 事業内容
- リチウムイオン電池リサイクル
リチウムイオン電池リサイクルとは
モビリティの電動化や再生可能エネルギーの普及に伴う世界的なレアメタルの需要拡大に対応するため、リチウムイオン電池のクローズドループリサイクルに挑戦しています。
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社会課題
リチウムイオン電池(LIB)は2050年カーボンニュートラル実現に向けた自動車の電動化や再生可能エネルギーの普及に不可欠であり、需要が急速に拡大していく見込みです。一方で、原材料のリチウム、コバルト、ニッケル等の資源不足が懸念されており、“電池to電池”のクローズドループ実現が世界的な課題になっています。
ターゲット市場
IEA(国際エネルギー機関)の見通しによると、2040年のLIBに使用される希少金属の需要量は2020年比でリチウムが約13倍、ニッケルやコバルトが約6倍になると見込まれています。またLIBの国内市場規模は、2023年から2040年で約8.6倍に成長すると予想されます。短期的にはLIB製造メーカーの工程廃材を中心的な商材としつつ、中長期的には使用済みの車載用蓄電池や定置用蓄電池等、発生量が増加するLIBを対象とし、事業を拡大していきます。
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事業の特徴
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安全かつ高効率なリサイクルプロセスの確立
(株)VOLTAでは、市中で発生する様々な種類のLIBのリサイクルに対応しています。グループで培った物理選別技術を活かして、電池や筐体の解体・選別を行っています。また近隣や周辺環境の安全のため、焼却ではなく、加熱乾燥を行うことで、処理工程で発生する有毒ガスの減少に努めるとともに、独自の排ガス処理システムを導入し浄化しています。さらに、責任あるリサイクルプロセスの確立を目指し、2021年2月にはR2認証を取得しています。
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ブラックマス(BM※)の生産
LIBを放電・乾燥、破砕、選別する事で、BMと呼ばれるコバルトやニッケルを含む濃縮滓の生産や、銅・アルミ等のリサイクルを行っています。設立以来培ってきたノウハウを活かして回収した高品質な金属資源を国内外の製錬メーカー等に販売しています。またエンビプログループはRE100に加盟しており、VOLTAでは運搬車を除くすべての工程で再生可能エネルギー100%を達成しつつあります。これにより、低炭素プロセスによるBM生産を実現しています。
※BM(ブラックマス):リチウムイオン電池を放電・乾燥・破砕・選別したリチウム、コバルト、ニッケルの濃縮滓
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電極材や電池以外の使用筐体もリサイクル
正極材・負極材からも、効率的な選別方法により、ブラックマスや銅・カーボンの生産を行っています。また電池を構成している筐体、付属品など金属やプラスチックの複合品もグループのノウハウと技術を活用しリサイクルを行っています。電池単体だけでなく、電池内蔵製品も受け入れてリサイクルが可能です。
サービス概要
LIBリサイクルプロセスと対象原材料
VOLTAでは様々なLIBに対応し、安全な方法でリサイクルしています。
VOLTAで展開するLIBリサイクル事業
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リサイクル対象原料
リチウムイオン電池およびニッケル水素電池の2種類の充電式電池を取り扱っています。
工程不良材 | 使用済み電池 | ||
---|---|---|---|
種類 | 小型 | 大型 | |
不良セル 不良モジュール 正極スラッジ 正極板 負極板 |
角型 ![]() |
携帯電話、 デジタルカメラ等の 小型電子機器に使用 |
EV、HV、PHEV、 ESS等に使用 |
ラミネート型 ![]() |
スマホ、タブレット、 薄型ノートPC等に使用 |
EV、HV、ESS等に使用 | |
シリンダ型 ![]() |
ノートPC、電動工具、 EV等幅広く使用 |
EV、ESS等に使用 |
サーキュラーエコノミーに向けて
電池to電池のクローズドループの実現に向けて
湿式製錬によるBMからのレアメタル回収では、数万トン規模のLIB処理量が必要になります。当社グループは2027年6月期までの中期経営計画目標として14,000tのLIB処理能力達成を掲げています。これを実現するために、2024年に茨城工場を稼働、2025年中に関西工場を稼働、2027年中に海外工場の稼働を目標としています。またLIB処理量の増強と同時に、パートナー企業とのアライアンス等を通してBM製錬の事業化を検討しています。これまで海外に販売していたBMを国内湿式製錬工場に供給し、硫酸ニッケル、硫酸コバルト、炭酸リチウムを生産し、前駆体メーカーに販売することで電池to電池のクローズドループによるサーキュラーエコノミーを実現します。
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